みなべ千里の浜 夕陽と蜃気楼

この日の朝は本州最南端の町・串本にいた。天気予報では晴れのはず・・・だった。朝早くのうちは確かに晴れていたが、10時を過ぎることには一面の曇天。大島や潮岬を巡るも、どうもパッとしない。ネットで天気を見ていると、北のほうがまだマシのようだ。それで、午後の早めの時間に串本をあきらめ、北へとクルマを走らせる。

すさみ、白浜、田辺と走るが、空は曇天・・・だったのだが、みなべに入ったあたりで陽が射してきた。雲が綺麗に切れているのが見える。あの雲の切れ間はちょうど、本州有数のアカウミガメ産卵地として知られる千里の浜だ。曇天に覆われていた一日の終わり、ここで陽の沈むのを眺めようと決め、クルマを止めて海岸に降りた。
一年前の夏に来た時はちょうど干潮だったのか岩場を歩けていろいろな魚の姿を見られたのを思い出し、そちらの方をめざすも今は満潮のようで磯の姿はなく、砂浜で寄せたは返す波を眺めていると・・・水平線に、どうも違和感のある影が見える。しかも、水面から浮いている!これはきっと蜃気楼だ。持っていた一眼レフカメラのレンズを望遠に変えて撮ってみた。蜃気楼であろうことはわかるのだが、最初、正体が何なのかわからなかった。建物っぽいけれど、写真で見たことのある魚津の蜃気楼とはちょっと違う。一体何だろうと思い何枚か撮っているうちに、ようやく船の姿に見えてきた。

幻のような船が元の姿になった頃、陽は随分と傾いて、美しい夕陽を見せてくれた。曇天にがっかりした一日だったけれど、最後に思いもよらぬ奇跡の風景に出会えた。

海の水戸岡作品で小豆島へ

水戸岡鋭治さんと言えば、九州新幹線 「つばめ」、 「A列車で行こう」 、「ななつ星in九州」、和歌山電鉄「たま電車」、京都丹後鉄道「あかまつ」「あおまつ」・・・など、数々の観光列車を手掛けてこられたインダストリアルデザイナー。その水戸岡さんデザインの魅力的なフェリーが、新岡山港~土庄(小豆島)間で運航されている。
その名も「おりんぴあどりーむ」と「おりんぴあどりーむ せと」。
このうち、2019年に就航したばかりの「おりんぴあどりーむ せと」に乗って小豆島へと旅立った。
これまでにないクルーズフェリーをめざしたとウェブサイトに水戸岡さんのメッセージが掲載されているが、本当にこれまで乗ったフェリーでは見たことのなかったような空間で、ウッドデッキにはブランコがあり、最上階の展望デッキにはなんと船上なのにミニトレインが走っている。
船内のラウンジはとても洗練された上質なリラックス空間で、これも水戸岡さんご自身がおっしゃっておられる通り、まさに華麗なる“海上のサロン”。
敢えてクルマをおいて乗ったので、船内で売られていた、好物の地ビール「独歩」(岡山)をいただきながら瀬戸内クルーズ。驚くほど至高の70分間の船旅となった。しかも2020年1月現在、クルマを載せなければ大人ひとり片道わずか1,090円でこの上質なクルーズが楽しめてしまう。
土庄港では「おりんぴあどりーむ」も見かけた。こちらには足湯設備がついている。

航路、カモメがすぐそばまでやってきた。船と並行してこんなに間近でカモメが見られる光景は、年中見られるわけではなく冬ならではの楽しみだそうだ。

>> 「おりんぴあどりーむ せと」詳細

真冬の春風景 守山に咲く菜の花

完全に春・・・3月下旬くらいの景色かと見紛うこの風景、じつはこれ、真冬の写真。
場所は琵琶湖大橋から少しだけ北へ進み、ピエリ守山を過ぎたあたりにある滋賀県守山市の守山第一なぎさ公園で、咲いているのはカンザキハナナという早咲きの菜の花。毎年だいたい12月下旬や1月から2月の下旬にこんな風景が楽しめる。一面菜の花が咲いているのにじつは冬なので、背景に広がるのは雪山というなんとも見事な景色。
そして、菜の花畑の向こうは琵琶湖というロケーション。
寒い日でもこんな景色が目の前に広がると、なんとなく春が来たような気分になり、心が躍る。